555タイマー計算機の使い方
555タイマー計算機は、部品値から計算結果を求める順方向計算と、目標とするタイミングから部品値を求める逆方向計算の両方に対応しています。設計したい回路に合うモードを選択してください。
無安定モード(アステーブル/発振回路)
- モード切り替えで無安定を選択します。
- R1、R2、Cを入力し、単位のドロップダウン(Ω / kΩ / MΩ、F / µF / nF / pF)から適切な単位を選びます。
- 555タイマー計算機が、出力周波数、デューティ比、HIGH時間、LOW時間、全体の周期をすぐに表示します。
- 式の導出欄で数値を代入した計算過程を確認できます。
単安定モード(モノステーブル/ワンショット)
- 単安定モードを選択します。
- 抵抗RとコンデンサCを入力します。
- 555タイマー計算機が、T = 1.1 × R × C で求めたパルス幅を適切な単位で表示します。
逆算
逆算を有効にすると、目標仕様から部品値を求められます。
- 無安定の逆算: 目標周波数(Hz)とデューティ比(%)を入力し、指定したコンデンサCに必要なR1とR2を計算します。標準的な555回路では、デューティ比は50%を超えている必要があります。
- 単安定の逆算: 目標パルス幅(s)とコンデンサCを入力し、必要な抵抗Rを求めます。
555タイマー計算機の式と原理
555タイマー計算機は、NE555の内部コンパレーターが持つしきい値(1/3 VCCと2/3 VCC)から導かれる標準的な応用式に基づいています。
無安定モードの式
T_HIGH = 0.693 × (R1 + R2) × C
T_LOW = 0.693 × R2 × C
T = T_HIGH + T_LOW = 0.693 × (R1 + 2R2) × C
f = 1 / T = 1.44 / ((R1 + 2R2) × C)
デューティ比 = T_HIGH / T × 100% = (R1 + R2) / (R1 + 2R2) × 100%
0.693の理由: 0.693はln(2)、つまり2の自然対数に由来します。これは、コンデンサがVCC/3と2VCC/3の間で充放電するRC方程式を解くと現れる係数です。
単安定モードの式
T = 1.1 × R × C
トリガーされると、コンデンサはRを通って0 VからVCCに向かって充電されます。電圧が2/3 VCCに達すると、出力はLOWに戻ります。厳密に解くとT = RC × ln(3) ≈ 1.0986 × R × Cとなり、実用上は1.1 × R × Cに丸めます。
逆算(無安定モード)
目標周波数fとデューティ比D(50%超)が与えられている場合:
T = 1 / f
T_HIGH = D × T
T_LOW = (1 − D) × T
R2 = T_LOW / (0.693 × C)
R1 = T_HIGH / (0.693 × C) − R2
逆算(単安定モード)
目標パルス幅TとコンデンサCが与えられている場合:
R = T / (1.1 × C)
555タイマー計算機の用途
555タイマー計算機は、電子工作から回路設計の学習まで、さまざまな場面で利用できます。
- DIY電子工作: LEDフラッシャー、音色発生器、ロジック回路用のクロックパルス、モーター速度制御用の発振回路に必要なR1、R2、Cの値を計算します。
- 実験・授業: ブレッドボードで組み立てる前に555タイマー回路を確認できます。式の導出も表示されるため、各ステップを追いやすくなっています。
- 信号発生器の設計: オーディオ回路のテスト、デジタルロジック、センサーインターフェースなどに使う、指定周波数の方形波を設計します。
- 遅延タイマー回路: 単安定モードで、チャタリング除去、リレー動作の遅延、組み込みシステム用のワンショットトリガーパルスを設計します。
- 既存回路の確認: 既存回路の部品値から、想定される周波数やパルス幅を調べます。
- 部品選定: 逆算で理想的なRとCの値を求めた後、最寄りのE24またはE96系列の標準抵抗値に丸め、順方向計算で実際の値を確認します。