アーチ計算機の使い方
アーチ計算機は、円弧アーチや曲線開口の寸法を図面や型板の検討前に確認するための、シンプルなアーチ計算ツールです。フォームにアーチのスパン(開口部の幅・弦長)とライズ(スプリンギングラインから頂部までの矢高)をm単位で入力すると、結果パネルが自動更新されます。
スパンとライズは、同じ基準線と同じ単位で測ってください。ここでいうスパンは円弧の両端を結ぶ弦の長さ、ライズはその弦から円弧の頂点までの高さです。現場寸法や図面の寸法を入力すると、アーチ 半径 計算、円弧の長さ、中心角、弓形面積をまとめて確認できます。入力はmに固定されているため、mmやcmの寸法は先にmへ換算してください。
結果には半径、中心角(度・ラジアン)、弧長、弓形面積が表示されます。半径と弧長はm、弓形面積はm²です。半径・弧長は小数第4位、中心角は度表示で小数第2位まで丸められるため、厳密な施工寸法では元の入力値と丸め前の計算結果も確認してください。このページのアーチ計算機は厚さや奥行きを入力しないため、材料体積、重量、必要数量、費用は計算しません。
アーチ計算機の計算式と理論
このアーチ計算機は、スパンを弦とする円弧セグメント(円弧と弦で囲まれる弓形)を理想化し、次の式で形状を求めます。
R = h / 2 + s² / (8h)
θ = 2 × asin(s / (2R))
L = R × θ
A = R² / 2 × (θ − sin θ)
ここで、sはスパン(弦長)、hはライズ(矢高)、Rは円弧の半径、θはラジアンで表した中心角、Lは弧長、Aは弓形面積です。弧長の計算ではθをラジアンで使い、表示時だけ度にも変換します。つまり、アーチ計算機の中心角と弧長の関係は L = R × θ、弓形面積は扇形から二等辺三角形を引く式です。
このモデルは、円弧の輪郭を確認するための理想化された二次元幾何です。楕円、放物線、懸垂線、尖頭アーチ、自由曲線、複数の円弧を組み合わせた形状には対応しません。また、実装はasinの主値を使うため、ライズがスパンの半分を超える馬蹄形や180度を超える優弧を正しく表すモデルではありません。通常の円弧セグメントとして使う場合は、正の値で、ライズがスパンの半分以下となる範囲で確認してください。
幾何学上の面積と構造部材の材料量は別物です。実際のアーチには、組積造・コンクリート・鋼材・木材などの材料、アーチリングの厚さ、面外方向の奥行き、目地や接合部、施工誤差が関係します。さらに、固定荷重、積載荷重、積雪、風、地震、温度、施工時荷重を設定し、支点の拘束と基礎が受けるアーチの水平推力、圧縮・曲げ・せん断、変形、座屈、材料の許容応力度や安全率を検討しなければなりません。したがって、アーチ計算機の結果は形状の割り出し・確認・学習用の目安であり、耐震性や耐荷重、建築基準への適合を証明するものではありません。
アーチ計算機の活用例
アーチ計算機は、円弧アーチの半径、スパン、ライズ、弧長、中心角、弓形面積を、施工や発注の前に確認したい場面で役立ちます。主な用途は次のとおりです。
- アーチ形開口 — ドアや窓の曲線開口の寸法確認
- 円弧アーチ — レンガ・石・タイルなどの曲線輪郭の検討
- 内装・造作 — アーチ枠、見切り材、モールディングの長さ確認
- 木工・DIY — 型板やテンプレートの円弧をけがくための半径確認
- CAD・図面 — スパンと矢高から円弧形状を作図する前のチェック
入力したスパンとライズ、単位、測定基準をメモしておくと、図面を修正したときに同じ条件で再計算できます。材料の切り出しや施工に使う場合は、弧長や弓形面積にそのまま厚さを掛けて発注量とせず、製品仕様、加工ロス、継手、支持条件を確認してください。構造として荷重を負担するアーチ構造の設計や改修では、現地調査、関連法令、材料データ、構造計算を専門家に確認することが重要です。