**浮力計算機(アルキメデスの原理)**は、静止した一様な流体中で物体が押しのける流体の体積(排水体積・排除体積)から、物体に働く浮力を計算します。さらに物体の質量を任意で入力すると、浮力と物体の重量を比較し、物体が浮く、沈む、または中性浮力になるかを目安として判定します。
浮力計算機の使い方
- 流体密度ρを入力 — 水は1000 kg/m³、海水は1025 kg/m³程度が目安です。入力単位はkg/m³またはg/cm³です。これは流体の密度であり、物体の質量ではありません。
- 排水体積V(排除体積)を入力 — 物体が押しのける流体の体積を入力します。単位はm³、cm³、Lから選べます。物体が完全に浸かっている場合は液面下の物体体積に相当し、浮いている場合は液面下にある部分だけを入力します。
- 重力加速度gを入力 — 単位はm/s²で、初期値は地球の標準重力9.80665 m/s²です。別の場所や理想化した条件を比較する場合は値を変更できます。
- (任意)物体の質量を入力 — kgまたはgで入力すると、計算機が物体の重量W = m・gを求め、浮力との大小を比較します。質量を入力しなければ、浮力だけが表示されます。
公式と理論 — 浮力計算機(アルキメデスの原理)
Fb = ρ · g · V
W = m · g
FbとWを比較 → 浮く / 沈む / 中性浮力
ここで、Fbは浮力(N)、ρは流体密度(kg/m³またはg/cm³)、Vは物体が実際に押しのけた流体の体積(m³)、gは重力加速度(m/s²)、mは物体の質量(kg)です。計算内部では単位をそろえ、浮力と重量は力の単位であるN(ニュートン)として表示します。質量(kg)と重量(N)は別の物理量です。
静止した流体中では、物体が受ける浮力は押しのけた流体の重量に等しい、というのがアルキメデスの原理です。入力したVが同じなら、理想化した浮力の大きさは物体の材質や形状そのものではなく、流体密度、重力加速度、排水体積で決まります。Fb > Wなら上向きの合力、Fb < Wなら下向きの合力、Fb ≈ Wなら中性浮力の状態です。
なお、この計算機は見かけの重量を結果として表示しません。物体が流体中で静止し、ほかの支持や容器との接触がない理想条件なら、見かけの重量は W_app = W − Fb と表せます。実際の水中重量やはかりの表示には、浮力以外の力や測定条件も関係するため、この式や計算結果を実測値と同一視しないでください。
このモデルは、流体が静止し、密度が一様で、重力加速度が対象範囲で一定であることを前提にしています。液面付近では液面より上の部分をVに含めず、容器の底や壁に接触していない、物体の周囲が流体で満たされている条件を想定します。流れ、粘性、表面張力、気泡、圧縮性、密度の温度変化、容器との接触、物体の姿勢や転倒・安定性は計算していません。したがって、結果は物理の学習や条件比較の目安であり、精密測定、浮体の設計認証、潜水やその他の安全判断には使用しないでください。
浮力計算機の用途
- 船舶・海洋工学 — 船体の排水体積と浮力の関係を確認する。
- 土木工学 — ポンツーン、ケーソン、水中構造物の浮力を概算する。
- 物理実験 — 排水体積と浮力の関係を使ってアルキメデスの原理を学ぶ。
- ダイビング — ダイバーや器材の浮力を条件別に比較する。ただし、実際の潜水計画や安全なウェイト量の決定には使わないでください。