Beer-Lambertの法則計算機の使い方
Beer-Lambertの法則計算機は、分光光度法で使う吸光度の計算を、学生や化学・分析業務に携わる方が確認しやすい形に整理します。求めたい変数を選び、既知の3つの値を入力すると、結果が表示されます。
- 未知の変数を選ぶ — 吸光度(A)、濃度(c)、モル吸光係数(ε)、光路長(l)のうち、計算したいものを選択します。
- 既知の3つの値を入力する — 選択した未知の変数に応じて入力欄が切り替わり、必要な3項目だけが表示されます。
- 結果を確認する — 計算結果と単位に加えて、値を代入した計算手順も表示されます。
最も一般的な使い方は、分光光度計で測定した吸光度から、分析対象物の濃度を求めることです。入力単位は、モル吸光係数が L/(mol·cm)、光路長が cm、濃度が mol/L であることを確認してください。
公式と原理 — Beer-Lambertの法則計算機
Beer-Lambertの法則計算機は、分光光度法の基本的な関係式であるBeer-Lambertの法則(ランベルト・ベールの法則)を使います。
A = ε × l × c
| 記号 | 意味 | 主な単位 |
|---|---|---|
| A | 吸光度(光学密度) | 無次元 |
| ε | モル吸光係数 | L/(mol·cm) |
| l | 光路長(セルの幅) | cm |
| c | 吸収物質の濃度 | mol/L |
この法則では、吸光度は吸収物質の濃度と、試料中を光が通る光路長の両方に比例します。1つの変数を未知数として、次のように変形できます。
c = A / (ε × l)
ε = A / (l × c)
l = A / (ε × c)
吸光度は透過率 T とも関係し、A = −log₁₀(T) で表されます。ここで T = I/I₀ は、透過光の強度と入射光の強度の比です。
前提と限界
Beer-Lambertの法則は、(1)入射光が単色光であること、(2)溶質分子同士が相互作用しない希薄溶液であること、(3)光路内の試料が均一であること、(4)蛍光や散乱がないことを前提とします。高濃度では、実測値が直線関係から外れることがあります。精度を重視する場合は、吸光度を 0.1〜1.0 程度に収めることが一つの目安です。
Beer-Lambertの法則計算機の利用例
Beer-Lambertの法則計算機は、分析化学、生化学、環境分析などでの基礎的な計算に利用できます。
- 濃度の計算 — 分光光度計で測定した吸光度から、着色溶液やタンパク質試料の濃度を求める。
- タンパク質の定量 — 既知のモル吸光係数(タンパク質の A280 など)を使い、生体試料の濃度を計算する。
- 水質分析 — 分光光度法による水試料中の汚染物質濃度の確認に使う。
- 実験レポートの計算確認 — 化学実験での吸光度と濃度の換算をすばやく確認する。
- モル吸光係数の算出 — 光路長と濃度が既知の標準試料から、合成した化合物の ε を求める。