曲げ応力計算機の使い方
曲げ応力計算機は、曲げモーメントと断面の情報から梁の曲げ応力をすばやく確認するためのツールです。まず計算モードを選び、曲げモーメントの値と単位を入力します。直接入力では中立軸から評価点までの距離(y)と断面二次モーメント(I)を入力し、長方形断面または円形断面では断面寸法からこの2つを計算します。
曲げモーメントにはN·m、kN·m、N·mm、lb·ft、長さにはm、cm、mm、ft、in、断面二次モーメントにはm⁴、cm⁴、mm⁴、in⁴を選べます。計算機は内部で単位を換算してから式を適用し、曲げ応力をMPa、Pa、psiで表示します。入力単位の取り違えは結果を大きく変えるため、測定値や設計資料の単位をそのまま選んでください。
- 計算モードを選ぶ — Iとyを直接入力するか、長方形断面または円形断面の寸法から求めます。
- 曲げモーメントと寸法を入力する — すべて正の値を入力し、値に対応する単位を選択します。
- 結果と計算手順を確認する — 曲げ応力の主結果に加え、Pa・psi換算値、中立軸からの距離、使用した断面二次モーメント、代入式を確認します。
曲げ応力の公式と理論
この計算機の基本式は次のとおりです。
曲げ応力 σ = M × y / I
ここで、Mは曲げモーメント、yは中立軸から評価点までの距離、Iはその曲げ軸に関する断面二次モーメントです。直線梁の弾性曲げでは応力は中立軸からの距離に比例し、最外縁で最大になります。断面係数は次の関係で定義できます。
断面係数 Z = I / y
最外縁の曲げ応力 σ = M / Z
長方形断面では、幅をb、高さをhとすると、I = bh³/12、評価する最外縁までの距離はy = h/2です。円形断面では、直径をdとすると、I = πd⁴/64、y = d/2です。このページの長方形・円形モードは、これらの断面式を使ってIとyを算出してから、共通の曲げ応力式を適用します。
曲げ応力計算機の用途
曲げ応力計算機は、詳しい設計に入る前の比較や手計算の確認に役立ちます。たとえば、次のような用途に使えます。
- 梁の曲げ応力チェック — 既知の曲げモーメントと断面特性から、最外縁付近の応力の目安を確認する。
- 断面寸法の比較 — 長方形や円形の幅・高さ・直径を変えたとき、断面二次モーメントと曲げ応力がどう変わるか比較する。
- 材料力学の学習 — M、y、I、断面係数Zの関係や、単位換算を確認する。
- 機械部品の初期検討 — 荷重解析などで得た曲げモーメントを使い、断面候補をスクリーニングする。
この計算は、真直で細長い梁、線形弾性、小さな変形、断面形状と曲げ軸が明確であるという理想化を前提にした一次評価です。支持条件や荷重分布から曲げモーメントを求める機能、材料の降伏・破壊、塑性化、せん断変形、ねじり、局部座屈・横座屈、応力集中、疲労、複合断面、残留応力、接合部、動的荷重はモデルに含まれません。したがって、表示値だけで許容応力度や安全率、建築基準・設計規準への適合を判断しないでください。最終設計では、実際の荷重ケース、境界条件、材料データ、断面の強軸・弱軸、適用規準を有資格の設計者・技術者と確認してください。