COD計算ツールの使い方
COD計算ツールは、標準的な逆滴定法で得られた実験データから水試料の化学的酸素要求量(COD)を瞬時に算出するオンラインツールです。以下の4つの項目を入力するだけで、計算結果と詳細な手順を表示します。
- ブランク滴定量 (V_blank) – 空試験(水試料の代わりに蒸留水等を用いた比較試薬)で消費した滴定液(硫酸第一鉄アンモニウムなど)の量(mL)。
- 試料滴定量 (V_sample) – 実際の水試料で消費した滴定液の量(mL)。通常、V_blank 以下の値になります。
- 滴定液の濃度・規定度 (N) – 滴定液の規定度(mol/L または eq/L)。
- 水試料採取量 (V) – 消化・加熱反応に使用した水試料の採取量(mL)。
- 計算結果の確認 – COD計算ツールが代入式と計算プロセス、そして最終的なCOD値(mg/L O₂)を算出します。
COD(化学的酸素要求量)の計算式と理論
本COD計算ツールでは、重クロム酸塩等による逆滴定法(ISO 6060 / APHA 5220など)で広く採用されている以下の基本計算式を使用しています。
COD = [(V_blank − V_sample) × N × 8000] / V
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| V_blank | ブランク(空試験)の滴定量 | mL |
| V_sample | 試料(本試験)の滴定量 | mL |
| N | 滴定液の規定度(濃度) | mol/L (eq/L) |
| V | 検水(水試料)の採取量 | mL |
| 8000 | 酸素のミリ当量量 × 1000 | mg·mL/mol |
| COD | 化学的酸素要求量 | mg/L O₂ |
※ 係数「8000」は、酸素の当量(8 g/eq)にグラムからミリグラム(×1000)、リットルからミリリットルへの単位換算を掛け合わせた定数です。
前提条件と注意事項
- 本計算式は、酸化剤(二クロム酸塩等)で有機物を分解した後に余剰の酸化剤を逆滴定する方法を前提としています。
- 物理的な条件として、ブランク滴定量(V_blank)は常に試料滴定量(V_sample)以上である必要があります(V_sample > V_blank の場合は測定誤差または入力間違いです)。
- 塩化物イオン(Cl⁻)等の干渉物質や揮発性有機物が多い試料では、標準法によるマスカント添加(硫酸水銀の添加等)を行わない場合、理論値と解離することがあります。
COD計算ツールの活用事例
COD計算ツールは、水質モニタリングや環境分析、排水処理の現場で幅広く活用されています。
- 排水処理施設・浄化槽の管理 – 流入水・放流水のCOD値を計算し、有機物除去率や処理効率を評価。
- 環境規制・排水基準の遵守チェック – 工場排水や事業場排水が法令や自治体の水質汚濁防止基準を満たしているか確認。
- 産業プロセス水のモニタリング – 冷却水や製造工程水、浸出液中の有機物濃度の推移を管理。
- 環境化学・水質分析の実験・学習 – 学生や研究者が滴定実験データから迅速にCODを計算・検証。
手計算による代入ミスを防ぎ、日常の水質管理業務やレポーティング作業を大幅に効率化できます。