EIRP計算ツールは、無線通信システムにおけるEIRP(Effective Isotropically Radiated Power / 実効等方放射電力)を、送信出力・アンテナ利得・ケーブル損失などの各種パラメータから迅速かつ正確に算出するためのシミュレーションツールです。数値を入力し、使用している単位を選択するだけで、標準公式に基づいた計算結果と各単位(dBm、dBW、W、mW)への換算値を即座に確認できます。
EIRP計算ツールの使い方
- 各パラメータの入力: お手元の無線機仕様書や設計資料に基づき、「送信出力」「アンテナ利得(dBi)」「ケーブル損失(dB)」を入力します。
- 単位の選択: 送信電力の単位(W、mW、dBmなど)が入力値と一致しているか確認・設定します。ツール内部で自動的に基準単位へ換算されます。
- 計算結果の確認: 主要な結果(EIRP)に加えて、dBm、dBW、W(ワット)などの各種単位での表示結果や、途中の計算代入手順を確認できます。不適切な入力(負の絶対電力や無効な文字列など)がある場合はエラーメッセージが表示されます。
EIRPの計算公式と理論解説
EIRP(実効等方放射電力)の基本的な計算公式は以下の通りです。
$$EIRP (\text{dBm}) = P_{\text{tx}} (\text{dBm}) + G_{\text{ant}} (\text{dBi}) - L_{\text{cable}} (\text{dB})$$
ここで:
- $P_{\text{tx}}$ : 無線送信機の出力電力(dBm)
- $G_{\text{ant}}$ : アンテナの絶対利得(dBi)
- $L_{\text{cable}}$ : 送信機からアンテナまでの同軸ケーブルやコネクタによる損失(dB)
また、dBmからワット(W)への換算は以下の式で行われます。
$$P (\text{W}) = 10^{\frac{P (\text{dBm}) - 30}{10}}$$
無線電波の設計において、EIRPはすべての方向に均等に電波を放射する理想的な「等方性アンテナ」から同等の電界強度を得るために必要な実効出力を表します。電波法に基づく空中線電力の法規制チェックやリンクバジェット計算において極めて重要な指標となります。
EIRP計算ツールの活用シーン
- 無線通信リンクバジェットの設計: Wi-Fi、Bluetooth、LPWA、衛星通信、アマチュア無線などの送信電力と受信感度の評価。
- 法規制・技適基準の適合確認: 制度上定められた最大EIRP許容値(空中線電力・放射電力の制限)を超過していないかの検証。
- アンテナ選定と同軸ケーブルの損失評価: アンテナ利得の変更やケーブル長の変更が全放射電力に与える影響の比較試算。
- 単位換算と学習用途: dBm、dBW、W、mW相互の対数換算や、無線工学・電波物理の試算チェック。
本ツールを活用することで、複雑な対数計算や単位換算の手間を省き、無線システムの計画・評価を円滑に進めることができます。