等電点(pI)計算ツールの使い方
等電点(pI)計算ツールは、アミノ酸または荷電分子の電離 pKa 値から等電点を求めます。あらかじめ登録されたアミノ酸を選ぶか、pKa 値を手入力してください。
- モードを選択する — 標準アミノ酸 20 種の pKa データを使用する場合は「アミノ酸を選択」、任意の値を使う場合は「pKa を手入力」を選びます。
- アミノ酸モード — 一覧からアミノ酸を選択します。ツールは標準の α-COOH、α-NH₃⁺、必要に応じて側鎖の pKa 値を使用します。
- 手入力モード — α-カルボキシル基、α-アンモニウム基、必要に応じて側鎖の pKa 値を入力します。
- 結果を確認する — すべての pKa 値、平均に用いた 2 値、最終的な pI を確認できます。
等電点の計算式と考え方
等電点は、分子の正味電荷が 0 になる pH を表します。このツールでは、正味電荷が 0 となる領域を挟む 2 つの pKa 値を平均します。
pI = (pKa_a + pKa_b) / 2
pKa_a と pKa_b は、ゼロ電荷となる pH を挟む 2 つの pKa 値です。
pI の求め方
- 中性側鎖のアミノ酸 —
pI = (pKa_COOH + pKa_NH₃) / 2 - 酸性アミノ酸(側鎖に –COOH)— 最も低い 2 つの pKa 値を平均する。
- 塩基性アミノ酸(側鎖に –NH₂ またはグアニジニウム基)— 最も高い 2 つの pKa 値を平均する。
| アミノ酸の種類 | pI の目安 |
|---|---|
| 中性 | 5.5〜7.0 |
| 酸性(Asp、Glu) | 2.8〜3.2 |
| 塩基性(Lys、Arg、His) | 7.6〜10.8 |
前提と限界
ここで使う pKa 値は標準的な参考値です。折りたたまれたタンパク質では、局所的な静電環境によって実際の pKa 値が大きく変わることがあります。この計算は単離したアミノ酸の挙動を想定しており、複雑なペプチドやタンパク質を完全に表すものではありません。
等電点(pI)計算ツールの活用例
- タンパク質精製 — 標的タンパク質の pI を基にイオン交換クロマトグラフィーの条件を検討する。
- ゲル電気泳動 — 等電点電気泳動(IEF)や二次元電気泳動での挙動を予測する。
- アミノ酸化学 — 生理的 pH におけるアミノ酸の電荷状態を理解する。
- 創薬・製剤検討 — 治療用ペプチドの溶解性や製剤挙動を考える初期情報として利用する。
- 生化学の学習 — アミノ酸の電離や滴定曲線の問題を解く。
このツールで pKa 値と pI の関係を確認してから、実験・精製条件では対象分子に適した文献値や測定値を併用してください。