ローパスフィルタ計算ツールの使い方
ローパスフィルタ計算ツールは、パッシブ1次RCローパス回路の各種パラメータ(カットオフ周波数・抵抗値・静電容量)の相互計算に対応しています。
- 計算モードを選択 — カットオフ周波数 fc、抵抗値 R、静電容量 C のうち、求めたいパラメータを選択します。
- 2つの既知数を入力 — 抵抗値 R(単位:Ω, kΩ, MΩ)と静電容量 C(F, μF, nF, pF)、またはカットオフ周波数 fc(Hz, kHz, MHz)とRまたはCのいずれかを入力します。
- 計算結果を確認 — 目的のパラメータのほか、時定数 τ = RC、入力した信号周波におけるゲイン(dB)および位相差が即座に表示されます。
- 減衰特性の確認 — −3 dB、−20 dB、−40 dBにおける周波数ポイントが提示され、阻止帯域の要件を満たしているか確認できます。
ローパスフィルタの計算式と理論
当ローパスフィルタ計算ツールでは、基本的な1次RCフィルタの伝達関数に基づいた以下の計算式を使用しています。
fc = 1 / (2π × R × C) [−3 dB カットオフ周波数]
τ = R × C [時定数]
H(f)= 1 / √(1 + (f/fc)²) [振幅比(ゲイン)]
φ = −arctan(f / fc) [位相差]
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| fc | −3 dB カットオフ周波数 | Hz |
| R | 抵抗値 | Ω |
| C | 静電容量(コンデンサ容量) | F |
| τ | 時定数 | s |
| H(f) | 振幅比(0〜1) | — |
| φ | 位相差 | ° |
デシベル(dB)表記でのゲイン
デシベル単位のゲインは以下の式で算出されます:
dB = 20 × log₁₀(H(f))
カットオフ周波数 fc においては、振幅比 H ≒ 0.707(−3.01 dB)となります。周波数が 10 × fc になると H ≒ 0.0995(−20 dB)まで減衰します。
パッシブフィルタとアクティブフィルタの違い
本ツールはパッシブ(受動)1次RCローパスフィルタに対応しています。オペアンプ等を用いたアクティブフィルタでは、バターワース特性やチェビシェフ特性などの急峻な遮断特性を実現でき、多段接続時のインピーダンス整合の問題も軽減できます。
ローパスフィルタ計算ツールの活用事例・応用
ローパスフィルタ計算ツールは、高周波ノイズの除去や信号処理が必要な多様な分野で活用されています。
- オーディオ回路設計 — アンプや録音機器の前段で、不要な高周波ノイズやヒスノイズをカット。
- 電源回路(リプルフィルタ) — スイッチング電源の出力ノイズやリプル電圧を減衰させ、安定したアナログ電源ラインを確保。
- センサー信号のセンシング処理 — ADC(A/Dコンバータ)サンプリング前にエイリアシング防止用のアンチエイリアシング・フィルタを設計。
- ノイズ・高周波(RF)対策 — デジタル回路からの高周波輻射やノイズが精密なアナログ計測部に侵入するのを防ぐ。
- 電子回路の学習・教育 — 交流回路解析の基礎となる1次RC回路の周波数応答や時定数の挙動を直感的に理解。
- 基板(PCB)部品選定 — 目標とするカットオフ周波数に合わせた R・C の定数を素早く算出し、標準部品(E24/E96系列)の組み合わせを検討。