斜め衝撃波計算ツール

流入マッハ数と流体の偏向角から斜め衝撃波(斜流衝撃波)の衝撃波角β、下流マッハ数M₂、静圧力比p₂/p₁をオンラインで簡単計算。弱解・強解や離脱衝撃波(θ_max)の判定にも対応。

860.4K 利用回数 更新日 · 2026-05-11 ブラウザ内で処理 · アップロードなし
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斜め衝撃波計算ツールの使い方

斜め衝撃波計算ツールは、圧縮性流体力学における基礎式である θ–β–M 関係式を数値的に解き、指定された流速・偏向角に対する衝撃波角(弱解・強解)や下流状態を算出します。また、既知の衝撃波角から流体の偏向角を逆算することも可能です。

  1. 上流マッハ数(M₁)を入力 — 斜め衝撃波が発生するためには、流入条件が超音速(M₁ > 1)である必要があります。
  2. 比熱比(γ)を設定 — 空気の場合はデフォルトの 1.4 を使用します。二酸化炭素(CO₂ ≈ 1.3)やヘリウム(He ≈ 1.67)など、対象の気体に合わせて数値を変更可能です。
  3. 計算モードを選択 — クサビ角度や幾何形状が分かっている場合は「偏向角 θ」、シュリーレン写真などの光学測定値から波角を得ている場合は「衝撃波角 β」を選択します。
  4. 衝撃波角(β)または偏向角(θ)を確認 — 偏向角を入力した場合は弱解と強解の2つの衝撃波角が出力されます。
  5. 離脱判定の確認 — 偏向角 θ がそのマッハ数での最大偏向角 θ_max を超えている場合、衝撃波が剥離(離脱衝撃波)する警告メッセージが表示されます。
  6. 下流マッハ数(M₂)と圧力比(p₂/p₁)の評価 — 計算結果パネルで、衝撃波通過後の静圧力の上昇比率や流れの加速・減速状態を確認します。

計算公式と理論解説 — 斜め衝撃波の基礎式

本ツールでは、斜め衝撃波の前後にわたるランキン・ゴゴニオ(Rankine–Hugoniot)関係式から導出される以下の θ–β–M 関係式および垂直衝撃波の基礎式を使用しています。

tan θ = 2 cot β · [ M₁² sin²β − 1 ] / [ M₁²(γ + cos 2β) + 2 ]
M₂² sin(β − θ) = (M₁² sin²β + 2/(γ−1)) / (2γM₁² sin²β/(γ−1) − 1)
p₂/p₁ = 1 + 2γ(M₁² sin²β − 1)/(γ + 1)
記号意味・定義単位
M₁, M₂衝撃波の上流(前)/下流(後)のマッハ数
β衝撃波角(流入方向と衝撃波面のなす角度)°
θ流体の偏向角(クサビやランプの傾斜角)°
γ気体の比熱比
p₂/p₁衝撃波前後の静圧力比(下流圧力 / 上流圧力)

任意の流入マッハ数 M₁ に対して存在できる偏向角には上限値(最大偏向角 θ_max)が存在します。偏向角が θ_max 以下であれば、一般に2つの解(弱解:小さな衝撃波角 β で下流 M₂ は通常超音速、強解:大きな衝撃波角 β で下流 M₂ は亜音速)が存在します。実際の空気力学現象では、背圧が非常に高い場合を除き、エネルギー損失の少ない**弱解(弱い衝撃波)**が自然に形成されます。

斜め衝撃波計算ツールの活用事例

  • 超音速インテーク(吸気口)のランプ設計 — 多段ランプの角度を最適化し、離脱衝撃波を発生させずに段階的に流速を減速・減圧してエンジンへの供給効率を高める設計。
  • 風洞実験・シュリーレン画像の解析 — 可視化画像から測定した衝撃波角度 β をもとに、実測の流れの偏向角や局所マッハ数・圧力変化を逆算評価。
  • 超音速翼型(ダイヤモンド翼・ダブルウェッジ翼)の空力解析 — 前縁での斜め衝撃波と後縁での膨張波(膨張ファン)による波形抵抗(Wave Drag)および揚力特性の算定。
  • 極超音速飛翔体の機首周り解析 — 衝撃波層内の圧力比や温度比を算出し、熱保護システム(TPS)に耐えうる熱流束を予測。
  • 衝撃波管(ショックチューブ)および爆轟(デトネーション)の研究 — 斜めデトネーション波の通過角度がチャップマン・ジューゲ(CJ)条件を満たしているかの検証。
  • 圧縮性流体力学・空気力学の学習・検証 — 教科書や論文中の θ–β–M 線図(衝撃波線図)の数値を手軽に数値計算で検証・復習。

斜め衝撃波計算ツールについてのよくある質問

斜め衝撃波(斜流衝撃波)とは何ですか?

超音速流がクサビ(ウェッジ)やランプなどによって角度θだけ傾けられた(偏向された)際に、流れに対して斜めに発生する平面的な衝撃波のことです。

なぜ弱解と強解の2つの解が存在するのですか?

最大偏向角θ_max以下の偏向角においては、θ–β–M関係式を満たす衝撃波角βが数学的に2つ存在するためです。衝撃波角が小さく下流が超音速を維持する『弱解(弱い衝撃波)』と、衝撃波角が大きく下流が亜音速になる『強解(強い衝撃波)』があります。

最大偏向角(θ_max)とは何ですか?

指定された流入マッハ数 M₁ と比熱比 γ のもとで、斜め衝撃波が物体に付着したまま存在できる限界の偏向角度です。偏向角θがθ_maxを超えると、衝撃波は物体から離脱して『離脱衝撃波(弓形衝撃波)』となります。

この計算ツールでは両方の解を求められますか?

はい。入力された条件に基づき数値計算を行い、弱解と強解の両方の衝撃波角および下流状態を出力します。

入力したデータはサーバーに保存されますか?

いいえ。すべての計算処理はブラウザ上(JavaScript)で完結するため、入力データが外部サーバーへ送信・保存されることはありません。