特異値計算ツール

無料の特異値計算ツール。任意の行列(最大5×5)の特異値(σ₁ ≥ σ₂ ≥ …)およびスペクトルノルム(2-ノルム)を即座に計算し、ステップごとの計算手順を確認できます。

880.0K 利用回数 更新日 · 2026-05-05 ブラウザ内で処理 · アップロードなし
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特異値計算ツールの使い方

特異値計算ツール(Singular Value Calculator)を使用すると、任意の行列の特異値を数クリックで簡単に抽出できます。行列のサイズ(行数・列数)を設定して要素を入力するだけで、最大の特異値から順に並べた結果と計算過程が表示されます。

  1. 行列サイズの指定 – 行数と列数(各1〜5)を選択します。
  2. 行列 A の入力 – 各セルに実数を入力します。
  3. 特異値の確認特異値計算ツールが σ₁ ≥ σ₂ ≥ … ≥ σₖ (ただし k = min(m,n))の順に特異値を一覧表示します。
  4. スペクトルノルムの確認 – 最大特異値 σ₁ は行列の 2-ノルム(スペクトルノルム)と等しくなります。
  5. 計算手順のレビュー – 行列 A から AᵀA の生成、固有値の算出、特異値への変換ステップを追跡できます。

数式と理論 - 特異値分解(SVD)と特異値の求め方

特異値計算ツールは、固有値を用いた以下の数式に基づいて特異値を計算しています。

σᵢ = √λᵢ(AᵀA),   λᵢ ≥ 0

ここで λ₁ ≥ λ₂ ≥ … は AᵀA (または m < n の場合は AAᵀ)の固有値です。
記号意味
A入力された m×n の実数行列
Aᵀ行列 A の転置行列
AᵀAn×n の対称半正定値グラム行列
λᵢAᵀA の固有値
σᵢ行列 A の特異値(σᵢ = √λᵢ)
kmin(m,n);算出される特異値の個数

なぜ AᵀA を使うのか? 行列 AᵀA は常に対称かつ半正定値行列となるため、その固有値はすべて実数かつ非負(0以上)になります。固有値の正の平方根がまさに行列 A の特異値となります。特異値計算ツールでは、Wilkinsonシフトを適用したJacobi QRアルゴリズムを用いて固有値を効率的かつ安定的に求めています。

重要な関係式・特性:

  • ||A||₂ = σ₁ (スペクトルノルム / 2-ノルムは最大特異値に等しい)
  • ||A||F = √(σ₁² + σ₂² + … + σₖ²) (フロベニウスノルム)
  • rank(A) = 0 でない特異値の個数 (行列の階数・ランク)
  • κ(A) = σ₁ / σₖ (正方行列の条件数)

前提条件と計算限界

丸め誤差によって発生する可能性のある微小な負の固有値(−10⁻⁹ 未満)は、平方根をとる前に自動的に 0 へクランプ(固定)処理されます。本特異値計算ツールは最大 5×5 までの行列に対応しています。さらに大規模な行列のSVD計算を行う場合は、Python(NumPy / SciPy)やMATLABなどのプログラミングライブラリのご利用を推奨します。

特異値計算ツールの活用事例

特異値計算ツールは、線形代数学の学習だけでなく、データサイエンスや工学の様々な分野で役立ちます。

  • 条件数の評価 – 最大特異値を最小特異値で割ることで、連立一次方程式の数値的感度(条件数)を判定できます。
  • 行列のランク(階数)判定 – ゼロでない特異値の個数を数えることで、行列のランクを正確に把握できます。
  • 主成分分析(PCA)の理解 – 主成分分析における各主成分の分散は特異値の自乗に比例します。特異値の大きさを比較することで情報量の割合を確認できます。
  • データ圧縮・低ランク近似 – 大きい特異値のみを残して小さな特異値を切り捨てることで、画像の圧縮やデータの次元削減を行えます。
  • 制御工学 – ハンケル特異値などを求めることで、複雑なシステムの次数の低減(モデル低減)に活用されます。
  • 機械学習・統計学 – 特異値が0に近い値を持つか確認することで、特徴量行列における多重共線性(コリニアリティ)の検知に役立ちます。

特異値計算ツールで特異値を求めた後は、どの特異値が支配的かを分析し、各種計算やモデル化における誤差の評価に活用してください。

特異値計算ツールについてのよくある質問

特異値計算ツールはどのように特異値を計算しますか?

本計算ツールは入力された行列 A から AᵀA(または AAᵀ)を生成し、Jacobi QRアルゴリズムを用いてその固有値を算出した上で、降順に整列した非負の平方根(特異値)を計算します。

特異値は何を表していますか?

特異値は、行列による空間の伸縮率を表す数値です。最大特異値は行列のスペクトルノルム(2-ノルム)と一致し、最大特異値と最小特異値の比率は計算の数値的安定性を示す条件数(Condition Number)となります。

他の計算ツールやライブラリと結果がわずかに異なる理由は?

本ツールではWilkinsonシフト付きQR反復法を利用しており、数値的に非常に安定していますが、LAPACKなどのC/Fortranライブラリとは浮動小数点数の丸め方法に微小な差異が生じる場合があります。実用・学習用途として十分な高精度(小数点以下6桁以上)で出力されます。

入力したデータは外部に送信されますか?

いいえ。すべての行列計算はブラウザのJavaScript内で完結するため、入力データがサーバーに送信されたり保存されたりすることはありません。