全高調波歪率(THD)計算ツールの使い方
全高調波歪率(THD)計算ツールを使用すると、基本波の実効値(RMS)および各高調波振幅から、THDパーセント(%)、THD比率、THD(dB)を簡単に算出できます。
- 基本波(H1)の入力 - 基本波成分 H1 の実効値(RMS)を入力します。全高調波歪率計算の基準値となるため、0より大きい数値を入力してください。
- 高調波成分の追加 - 第2高調波(H2)、第3高調波(H3)などの実効値を入力します。電圧(Vrms)や電流(Arms)など、すべての項目で同一の単位を使用してください。
- 計算結果の確認 - 未使用の高調波行を削除し、計測された高調波のみを残します。THDは入力された高調波の二乗和平方根(Root-Sum-Square)に基づいて評価されます。
- 表示桁数の調整 - 用途に応じて小数点の表示桁数を調整します。実験ノートや精密レポートには桁数を多く設定し、機器比較にはシンプルな桁数設定が便利です。
公式と理論 - 全高調波歪率(THD)の計算方法
全高調波歪率(THD)計算ツールは、以下の計算式に基づいています。
THD比率 = sqrt(H2^2 + H3^2 + ... + Hn^2) / H1
THDパーセント (%) = THD比率 x 100%
THD (dB) = 20 x log10(THD比率)
全高調波歪率(THD: Total Harmonic Distortion)は、基本波に対する高調波成分の全体のエネルギー割合を表す指標です。RMS振幅は電力に関連する量であるため、各高調波成分は単に加算するのではなく、二乗和平方根をとることで適切に合成されます。
THDの数値(%)が低いほど、波形が綺麗で歪みが少ない(原信号に忠実である)ことを示します。デシベル(dB)表記は、同じ歪み比率を対数振幅スケールで表したものです。高調波成分が完全に0の場合、比率は0となり、dB値は負の無限大へと近づきます。
全高調波歪率(THD)計算ツールの活用事例
全高調波歪率(THD)計算ツールは、以下のような測定・分析・検証作業で広く使用されます。
- オーディオアンプや音響機器における高調波歪み率の測定と性能評価
- 電力品質(パワーインテグリティ)における電圧波形・電流波形の歪み比較
- モータードライブ、インバータ、信号発生器(シグナルジェネレータ)の高調波歪みデータの記録
- 単一の高調波振幅と合成歪率の違いを学習・教育する技術トレーニング