真ひずみ計算ツールの使い方
真ひずみ計算ツールは、試験片の初期長さ($L_0$)と変形後の長さ($L$)、または公称ひずみ(エンジニアリングひずみ)から、正確な**真ひずみ(対数ひずみ)**をオンラインで計算できるツールです。計算モード(長さから計算/公称ひずみから計算)を選択し、既知の数値と単位を入力するだけで、自動的に単位換算が行われ結果が表示されます。
- 計算モードの選択: 「長さ(初期長と変形後長)から」または「公称ひずみから」を選択します。
- 数値の入力: 初期の長さ $L_0$、変形後の長さ $L$、または公称ひずみ $\varepsilon_n$ を入力します。
- 結果の確認: 真ひずみ $\varepsilon_t$(対数ひずみ)、変化量 $\Delta L$、パーセント表示などが即座に計算・出力されます。
入力値の変更に応じてリアルタイムに再計算されるため、塑性加工や材料力学の強度評価、条件変更に伴うパラメータの比較検証に非常に便利です。
公式と理論 - 真ひずみ(対数ひずみ)の計算式
真ひずみ(True Strain、対数ひずみ / Logarithmic Strain とも呼ばれる)は、変形の各瞬間における微小な伸びの積算値として定義されます。
基本計算式
変形前の初期長さを $L_0$、変形後の長さを $L$、公称ひずみを $\varepsilon_n$ とすると、真ひずみ $\varepsilon_t$ は以下の式で表されます。
$$ \varepsilon_t = \ln\left(\frac{L}{L_0}\right) = \ln(1 + \varepsilon_n) $$
逆に、真ひずみ $\varepsilon_t$ から公称ひずみ $\varepsilon_n$ を求めて逆換算する場合は以下のようになります。
$$ \varepsilon_n = \exp(\varepsilon_t) - 1 $$
公称ひずみと真ひずみの違い
- 公称ひずみ(Engineering Strain): 変形前の初期長さ $L_0$ を基準としたひずみです。微小変形領域(弾性域)でよく使われます。
- 真ひずみ(True Strain): 刻々と変化する瞬時の長さ $L$ を基準とするため、金属の塑性加工や大塑性変形解析(FEM非線形解析)において必須となります。
- 加算性と圧縮・引張の対称性: 真ひずみは多段階変形において各段階のひずみを加算できる性質を持ち、同じ変形量であれば引張(正)と圧縮(負)で絶対値が一致します。
前提条件と適用限界
本計算ツールは材料が長さに沿って均一に変形している領域(引張試験でのくびれ/ネッキング発生前)を前提としています。くびれ発生後の局所的な大塑性変形や、複合応力状態での解析には、詳細な有限要素法(FEM)解析や実際の引張試験測定が必要です。
真ひずみ計算ツールの活用事例
真ひずみ計算ツールは、材料力学の基礎学習から実務での予備計算まで幅広いシーンで活用されています。
- 材料力学・機械工学の学習: 公称ひずみと真ひずみの関係性や、対数関数の挙動を視覚的に理解する教材として。
- 金属材料試験・引張試験のデータ処理: S-S曲線(応力-ひずみ線図)における公称ひずみデータから真ひずみへの換算確認。
- FEM解析(有限要素法)の前処理: 非線形解析ソフトに入力する材料物性値(真ひずみ・真応力)の事前チェック。
- 塑性加工・塑性変形の計算: 圧延、鍛造、引き抜き加工などの加工度(真ひずみ)の試算。
ブラウザ上で安全かつ高速に動作するため、設計検討や手計算の検算ツールとしてご活用ください。