アービトラージ計算機(裁定取引計算機)の使い方
アービトラージ計算機は、買い価格と売り価格、数量、各種コストから、裁定取引の純利益、ROI、損益分岐点となる売り価格を試算します。左側の入力欄で通貨、買い価格、売り価格、数量を入力し、買い側と売り側の手数料を「割合」または「固定額」で指定します。必要に応じて送金・出金手数料とその他コストも入力し、右側の結果を確認してください。
この計算機は、同じ通貨単位で買い価格と売り価格を比較する簡易モデルです。通貨の選択は表示記号の設定であり、通貨間の為替レートを取得・換算する機能ではありません。手数料率は表示どおりのパーセントで入力し、固定手数料やその他コストは選択した通貨と同じ単位で入力します。数量、価格、手数料などの無効な値では結果が空になることがあります。
結果パネルには、純利益を先に表示し、買い総コスト、売り総収入、総手数料、ROI、損益分岐点となる売り価格を続けて表示します。純利益がプラスでも、実際の取引で利益が確定することを意味しません。
計算式と理論 — アービトラージ計算機
アービトラージ計算機は、買い価格と売り価格の価格差(スプレッド)から、取引に伴うコストを差し引いて計算します。
買いコスト = 買い価格 × 数量
売り収入 = 売り価格 × 数量
買い手数料 = 買いコスト × 買い手数料率(または固定額)
売り手数料 = 売り収入 × 売り手数料率(または固定額)
総手数料 = 買い手数料 + 売り手数料 + 送金・出金手数料 + その他コスト
純利益 = 売り収入 − 買いコスト − 総手数料
ROI = 純利益 ÷(買いコスト + 買い手数料 + 送金・出金手数料 + その他コスト)× 100%
損益分岐点売り価格 =(買いコスト + 総手数料)÷ 数量
この式が表すのは、同じ数量を買い価格で取得し、売り価格で売却できるという理想化されたケースです。価格差が手数料などのコストを上回るときは、画面上で「コスト控除後の試算利益」がプラスになります。価格差が小さい場合や数量が大きい場合には、買い気配・売り気配の差(スプレッド)、市場の流動性、注文数量による価格への影響(スリッページ)、注文が片側だけ約定するリスクを必ず別途確認してください。
この計算機は、リアルタイムの市場価格や為替レートを取得せず、在庫・資金移動・送金の承認時間・約定遅延・約定成功率もモデル化しません。異なる通貨や市場をまたぐ取引では、為替変動、送金・出金の停止や遅延、取引所・ブローカーの手数料、税金、借入・保有コストなどが結果を変える可能性があります。「無リスク」とされる裁定取引も、実務上はこれらの市場・執行・カウンターパーティー上の制約を伴うため、利益や取引の成功を保証するものではありません。
アービトラージ計算機の利用シーン
アービトラージ計算機は、教科書的な裁定取引の例、投資メモ、スプレッドシートの検算、売買手数料を含めた価格差の比較、詳細なモデルを作る前の簡易チェックに役立ちます。前提を記録し、買い価格・売り価格・数量・手数料を変えたシナリオを比較する用途にも使えます。
よくある使い方は、複数市場の提示価格を手入力してコスト控除後の余地を確認すること、許容できる手数料から損益分岐点売り価格を逆算すること、または数量を変えてROIの感度を見ることです。ただし、このツールは注文を発注せず、価格データを監視せず、投資判断や利益を推奨するものでもありません。実際に取引を検討する場合は、各事業者の最新の手数料、約定条件、流動性、為替、税務、規制および自身の許容できる損失を確認してください。