ベンフォードの法則計算機は、数値データの1桁目(最初の有効数字)の分布を調べるためのツールです。入力した数値から1〜9の1桁目を抽出し、各桁の実測頻度をベンフォードの法則が示す期待確率と比較します。会計監査の予備的な異常スクリーニング、統計の学習、データ品質の確認に役立ちますが、偏差はあくまで追加調査のきっかけです。
ベンフォードの法則計算機の使い方
入力欄には数値を複数入力してください。値は改行、空白、カンマ、セミコロンで区切れます。例えば、1200, 345, 9870, 42 のように入力できます。計算機は有限な数値を読み取り、絶対値の最初の有効数字を1〜9として数えます。0、0でない数値として扱えない値、無限大や NaN は有効な分析対象になりません。負の数は絶対値を使って分析されます。
結果には、分析に使われた有効な数値の件数、各桁の実測頻度、ベンフォード期待頻度、実測値との差(偏差)が表示されます。「平均絶対偏差」は、1〜9の9桁について実測頻度と期待頻度の差の絶対値を平均したものです。入力値を変更すると、結果はブラウザー内で更新されます。
公式と理論:1桁目の分布
ベンフォードの法則では、1桁目が d になる期待確率を次の式で表します。
P(d) = log10(1 + 1/d), d = 1, 2, ..., 9
このため、1桁目が1になる確率は約30.1%、2は約17.6%、3は約12.5%です。数字が大きくなるほど期待確率は下がり、9は約4.6%です。各数値を一様にランダムに選んだ場合のように、すべての桁が約11.1%になるわけではありません。
ただし、ベンフォードの法則はすべてのデータに当てはまるわけではありません。複数の桁にまたがる十分な量の自然発生的な数値で、特定の上限・下限や固定的な範囲の影響が強くないデータが、一般に検討対象になります。電話番号、郵便番号、識別番号のような割り当て番号、身長のように値の範囲が狭いデータ、価格が一定額に集中するデータ、最初から丸めや上限が決まっているデータでは、期待分布とのずれが自然に生じることがあります。
不正検出・監査での利用と限界
ベンフォードの法則は、会計・経費・売上などの数値データを確認し、通常の分布から外れた桁の偏りを見つけるためのスクリーニングに利用されることがあります。ベンフォードの法則計算機は、実測分布と理論分布を並べて比較するための最初のチェックとして使えます。
一方、期待分布から離れていることは、不正の証明でも、データが正しいことの証明でもありません。正当な業務上の上限、価格設定、抽出方法、サンプル数の少なさ、混在した母集団などが偏差を生む可能性があります。反対に、巧妙な改ざんが期待分布に近づく場合もあります。結果を不正検出に使う場合は、対象データが適用条件を満たすかを確認し、期間・勘定科目・取引先などの切り分け、元資料の照合、他の監査分析を含む追加検討につなげてください。
この計算機は、計算式の確認と予備的な統計スクリーニングを支援するものです。表示された偏差を結論として扱わず、データの定義と背景、分析件数、単位や尺度を確認したうえで判断してください。