DSCR(借入金償還カバー率)計算ツールの使い方
DSCR(借入金償還カバー率)計算ツールを使うと、事業収益や不動産所得が借入金の元利返済額をどの程度カバーできているかを迅速にシミュレーション・計算できます。
- 純営業所得(NOI)の入力 — 金融機関の指定に合わせて、年間のNOIまたはEBITDAを入力します。
- 負債返済額の入力方式を選択 — 「元本と利息を分けて入力」または「年間負債返済額をまとめて入力」を選びます。
- 該当する金額を入力 — 元本返済額・利息返済額、または年間負債返済総額を入力します。
- 表示通貨を選択 — 必要に応じて表示用の通貨単位を選択します。
- 計算結果の確認 — DSCR計算ツールがDSCR値、安全圏・損益分岐・危険圏の判定、および計算の基礎となったNOIと負債返済額を表示します。
DSCRの計算式と仕組み — 借入金償還能力の判定指標
DSCR計算ツールは以下の基本計算式に基づいています。
DSCR = 純営業所得(NOI) / 年間負債返済額(元利合計)
年間負債返済額 = 年間元本返済額 + 年間利息返済額
| 記号・項目 | 意味・定義 |
|---|---|
| NOI | 純営業所得(総営業収益 − 営業経費) |
| DS | 年間負債返済額(年間元本返済額 + 年間利息返済額) |
数値の評価基準:
- DSCR > 1.0: 営業キャッシュフローが借入金返済額を上回っており、返済余裕があります(安全圏)。
- DSCR = 1.0: 損益分岐点。収益の全額が借入金の返済に消える状態で、手元資金の残余はありません。
- DSCR < 1.0: 事業収益のみでは借入金を返済できず、追加出資やリファイナンスが必要な危険状態です。
金融機関は融資の審査時だけでなく、融資期間中も**DSCRコベナンツ(財務制限条項)**を設定することがあります。基準値を下回ると期限の利益喪失やキャッシュスウィープ(資金留保)などの措置が取られる場合があります。
DSCR計算ツールの活用事例
- 不動産投資・商業用不動産ローン — 不動産オーナーや投資家が物件購入・リファイナンス時の融資妥当性を検証。
- 事業融資・中小企業融資 — 銀行が目標DSCRを満たす適切な融資限度額を試算。
- プロジェクトファイナンス — インフラやプラント事業などのキャッシュフローをベースケース・ストレスケースで分析。
- 個人向け不動産投資(区分・一棟アパート) — 家賃収入で住宅ローンやアパートローンを無理なく返済できるかシミュレーション。
- コーポレートファイナンス — 財務担当者(CFO)がEBITDAベースのDSCRを計算し、コベナンツ遵守をチェック。
DSCR計算ツールを活用して、営業キャッシュフローと負債返済計画から金融機関基準の返済余裕率を的確に把握しましょう。