LGD計算ツールの使い方
LGD計算ツール(デフォルト時損失率シミュレーター)は、信用リスク管理におけるデフォルト時損失率(Loss Given Default: LGD)および損失額を複雑な表計算ソフトを使わずに瞬時に試算できるツールです。デフォルト時エクスポージャー(EAD)や回収額(または回収率)などの既知の数値を入力パネルに入力するだけで、結果カードに主要指標と詳細な内訳が表示されます。
計算処理はお使いのブラウザ上で実行されるため、回収率やエクスポージャーの前提条件を1つずつ変更しながら、結果がどのように変化するかをリアルタイムで確認・比較できます。
融資契約、投資メモ、社内リスク査定資料、または格付・ポートフォリオ報告書にある最新のデータを入力してください。回収額や将来の回収条件に不確実性がある場合は、単一の数値に頼るのではなく、保守的・基本・楽観的な複数のシナリオでLGD 計算を行うことをおすすめします。結果カードには、まず最大の関心事である**デフォルト時損失率(LGD)**が表示され、続いて回収率や予想損失額といった補助指標が提示されます。
本計算結果はスクリーニングや計画策定の参考値として活用できます。金融における信用リスク評価は、担保評価、回収期間のタイムラグ、法的コスト、市場流動性、税務・会計基準に依存します。LGD計算ツールで迅速な試算を行った上で、必要に応じて専門的なポートフォリオモデルや外部アドバイザーの精査へ進んでください。
計算式と理論 - LGD計算ツール
LGD計算ツールでは、信用リスク評価で広く用いられる以下の基本計算式を使用しています。
LGD (%) = (EAD − 回収額) / EAD × 100%
または
LGD (%) = 100% − 回収率 (%)
また、予想損失額(Expected Loss)は以下のように算出されます:
予想損失額 (EL) = EAD × LGD (%)
各フィールドの金額は同一の通貨単位(日本円、米ドルなど)で入力し、割合(%)項目は小数ではなくパーセンテージとして指定します。回収率を入力するモードと、実際の回収額を入力するモードの双方向計算に対応しています。
LGD 計算を分析する際は、「自社で調整可能な前提条件」と「市場・法的制度に由来する前提条件」を区別して把握することが有効です。調整可能な条件には貸付額や担保設定が含まれ、市場・制度的条件には回収コスト、将来の担保処分価格、デフォルト確率(PD)などが含まれます。これらを分けて検討することで、リスク評価の妥当性を説明・検証しやすくなります。
前提条件と計算上の制限
本ツールは確定的な数式に基づいた簡約モデルを採用しています。最新の市場担保評価額、個別企業の法的倒産手続き費用、最新の規制基準(バーゼル要件など)の自動取得は行いません。実際の回収プロセスで生じる割引キャッシュフロー(DCF)法による時間価値減損や、回収手数料などの細部は、標準計算と異なる場合があります。重要な意思決定を行う際は、必ず契約書類や専門のリスク管理部門と確認を行ってください。
LGD計算ツールの活用事例
LGD計算ツールは、信用リスクや回収率を迅速かつ透明性の高い形で確認したいあらゆる場面で役立ちます。主な活用シーンは以下の通りです。
- 計画策定(プラニング) - 本格的なリスクモデル構築前に、貸出金や債券の潜在的ロスを第1段階として推計。
- シナリオ比較 - 異なる担保回収率、EAD、または回収コストを設定し、ストレステストや感度分析を実施。
- レビュー・査定 - 提示された融資案件や債券投資の信用リスク評価が妥当な範囲内にあるか検証。
- 学習・研修 - EADや回収率の変動が全体のデフォルト時損失率や期待損失に与える影響を視覚的に理解。
計算結果は、使用した前提条件とともに記録・保存しておくことで、社内協議やリスク評価レポートの作成時にスムーズに再利用できます。