プレマネー・ポストマネー企業価値計算ツールの使い方
プレマネー・ポストマネー企業価値計算ツールは、スタートアップや事業の資金調達において重要な「投資前企業価値(プレマネー評価額)」と「投資後企業価値(ポストマネー評価額)」、そして投資家・創業者の「出資比率(持分比率)」を簡単に計算・確認できるシミュレーションツールです。
- 計算モードを選択する
お手元にある数値に合わせて計算モードを選択します。- プレマネー + 投資額: 投資前の評価額と調達希望額から、ポストマネー評価額と出資比率を算出します。
- 投資額 + 出資比率: 調達金額と投資家に渡す持分比率から、プレマネーおよびポストマネー評価額を逆算します。
- ポストマネー + 投資額: 投資後の評価額と調達金額から、プレマネー評価額と出資比率を計算します。
- 通貨と数値を入力する
日本円(JPY)や米ドル(USD)などの通貨を選択し、評価額や投資額、出資比率を入力します。 - 計算結果と希薄化を確認する
入力と同時に、プレマネー評価額・ポストマネー評価額・投資家出資比率・創業者(既存株主)持分比率がリアルタイムで表示されます。
資金調達の交渉や資本政策の策定では、希望的観測だけでなく、厳しめのシナリオ(低めのプレマネー)や標準的なシナリオなど複数パターンを試算しておくことが極めて重要です。
プレマネー・ポストマネーの計算式と理論
資金調達における企業価値評価(バリュエーション)の基本構造は、以下のシンプルな関係式で成り立っています。
ポストマネー評価額(投資後企業価値) = プレマネー評価額(投資前企業価値) + 投資額(調達額)
投資家の出資比率 = 投資額 ÷ ポストマネー評価額
創業者・既存株主の持分比率 = 100% - 投資家の出資比率
計算例
たとえば、プレマネー評価額を4億円と設定し、投資家から1億円の資金調達を行う場合:
- ポストマネー評価額: 4億円 + 1億円 = 5億円
- 投資家の出資比率: 1億円 ÷ 5億円 = 20%
- 創業者の持分比率: 100% - 20% = 80%(既存株主の株式が20%希薄化)
投資家との交渉において「企業価値5億円で出資する」という会話がなされる際、それがプレマネーなのかポストマネーなのかで創業者の持分希薄化率が大きく変わります。本ツールを活用して、両者の違いを明確に把握しておきましょう。
前提条件と注意点
本計算ツールは資金調達のシミュレーションおよび学習を目的としたものです。実際の資金調達・第三者割当増資の実務では、以下の点に留意する必要があります。
- ストックオプション(SO)プール: 従業員インセンティブ用のストックオプション枠をプレマネーに含めるかポストマネーに含めるかによって、実際の創業者持分比率(完全希薄化後)が変化します。
- コンバーチブルノート / J-KISS: 転換社債型新株予約権などで調達している場合、次回ラウンドでの転換条件(キャップやディスカウント)により複雑な希薄化計算が必要となります。
- 専門家へのご相談: 法務・税務・会計の確定手続きや詳細なキャップテーブル作成に際しては、弁護士や公認会計士、税理士などの専門家にご相談ください。
プレマネー・ポストマネー企業価値計算ツールの活用シーン
スタートアップの起業家、ベンチャーキャピタリスト(VC)、エンジェル投資家、事業開発担当者にとって、本ツールは様々な場面で役立ちます。
- 投資家との交渉シミュレーション: プレマネー評価額の条件設定による出資比率の変化を即座に試算。
- 資本政策(キャップテーブル)の初期検討: シード〜シリーズAなどの各ラウンドにおける株主構成と希薄化イメージの把握。
- スプレッドシートの入力チェック: 自作のExcelやGoogleスプレッドシートの計算式に間違いがないかクイック検証。
- 投資提案・ピッチデックの準備: 調達金額と目指すポストマネー評価額から妥当な譲渡株式数を算出。
本ツールで得られた試算結果を記録し、資金調達戦略の比較検討にぜひお役立てください。