二封筒問題計算機の使い方
二封筒問題計算機では、開けた封筒の金額と、考えられる基準金額の一覧を入力して、もう一方の封筒に交換した場合の期待値を確認できます。基準金額はカンマ、セミコロン、改行で区切って入力します。右側の結果には、交換した場合の期待値、古典的な誤った期待値(1.25A)、現在の金額、現在の金額に合致する事前ケース数が表示されます。
例えば、現在の金額が 10 で基準金額が 5, 10, 20 の場合、10 は小さい方の封筒(5 と 10 のペア)にも大きい方の封筒(10 と 20 のペア)にも現れ得ます。どちらのペアに属するかの事前確率によって、交換の期待値は変わります。古典的な議論では「もう一方は半分か2倍のどちらかで確率 1/2」と仮定して 1.25A となりますが、これは A の意味を混同した誤りです。
公式と原理|二封筒問題(封筒のパラドックス)
二封筒問題では、一方の封筒にはもう一方の2倍の金額が入っています。無作為に1つ選び、中身 A を確認したあと、交換すべきかを期待値で判断しようとします。単純な議論では、もう一方は A/2 か 2A で各々確率 1/2 だから
E[交換] = (1/2)(A/2) + (1/2)(2A) = 1.25A
となり、交換した方が得に見えます。しかし同じ推論を交換後にも適用すると、再び交換が有利になり、期待値が際限なく増えるという矛盾が生じます。
この矛盾の核心は、金額の事前分布を無視していることです。A が観測されたとき、もう一方が A/2 であるケースと 2A であるケースの確率は、一般に 1/2 ではありません。条件付き確率 P(小さい方の封筒 | A) と P(大きい方の封筒 | A) は、基準金額の集合とその事前確率によって決まります。明示的な事前分布または金額の生成規則なしに、交換を推奨することはできません。
この計算機では、入力した基準金額の集合に対して、現在の金額 A に合致する事前ケースを数え、正しい条件付き期待値を計算します。古典的な 1.25A との差を見ることで、なぜ「常に交換すべき」という結論が成り立たないかを確認できます。
二封筒問題計算機の利用例
二封筒問題計算機は、確率パラドックスの授業や発表、期待値計算の宿題チェック、ベイズ的な事前分布の理解、交換パラドックス(Exchange Paradox)の直感的な検証に利用できます。基準金額の集合を変えて、交換の期待値がいつ増え、いつ減るかを比較でき、手計算の確認にも役立ちます。