クローン病活動指数(CDAI)計算ツールの使い方
クローン病活動指数(CDAI)計算ツールは、クローン病(Crohn’s Disease)の病勢や治療効果を客観的に可視化するために開発された臨床スコアリング計算ツールです。患者日記(7日間の症状記録)や血液検査データ、診察所見から得られる8つの項目を入力することで、重症度の判定指標となるCDAIスコアを算出します。
- 7日間の症状合計を入力 - 直近1週間の水様便・軟便の総回数、腹痛の程度(0〜3点/日)、全般的体調(0〜4点/日)を入力します。
- 合併症・薬の服用を入力 - 関節痛・虹彩炎・肛門病変などの症状の有無、止瀉薬(下痢止め)やオピオイドの使用有無を選択します。
- 触診・血液検査・体重データを入力 - 腹部腫瘤の有無、ヘマトクリット値(Hct %)、および標準体重に対する現在の体重割合(%)を入力します。
- 計算結果の確認 - CDAI計算ツールが重み付けされた合計スコアと、対応する病勢区分(寛解、軽症、中等症、重症)を表示します。
症状日記は連続した7日間全日の記録を使用してください。欠測日があるとスコアが過小評価される可能性があります。
計算式と理論背景 — クローン病活動指数(CDAI)計算ツール
クローン病活動指数(CDAI)計算ツールでは、Bestらによって提唱された標準的な重み付け計算式を使用しています。
CDAI = 2S + 5P + 7W + 20C + 30D + 10M + 6H + 体重項
| 項目記号 | 評価項目 | 重み付け係数 |
|---|---|---|
| S | 7日間の液体便・軟便の合計回数 | × 2 |
| P | 7日間の腹痛スコア合計(0:なし 〜 3:激痛) | × 5 |
| W | 7日間の全般的一般状態スコア合計(0:良好 〜 4:極めて不良) | × 7 |
| C | 合併症の項目数(関節痛、皮膚・眼病変、肛門病変、発熱等) | × 20 |
| D | 下痢止め(止瀉薬)・オピオイド系薬剤の使用 | なし: 0 / あり: 1 (× 30) |
| M | 腹部腫瘤(Mass)の有無 | なし: 0 / 疑い: 2 / 確実: 5 (× 10) |
| H | ヘマトクリット(Hct)低下度 | 男性 (47 - Hct) × 6 / 女性 (42 - Hct) × 6 |
| 体重項 | 標準体重に対する低下割合 | (1 - 現在の体重/標準体重) × 100 |
CDAIスコアによる重症度区分:
- 150 未満: 寛解期(Remission)
- 150 〜 220: 軽症活動期(Mildly active)
- 220 〜 450: 中等症活動期(Moderately active)
- 450 超: 重症活動期(Severely active)
クローン病活動指数(CDAI)計算ツールの活用事例
クローン病活動指数(CDAI)計算ツールは、医療従事者、研究者、および患者さんの治療経過のモニタリングに広く利用されています。
- 治療効果の経過観察 - 薬物療法(バイオ医薬品・ステロイド等)の開始前後でCDAIスコアの変化を追い、寛解導入・維持の効果を確認します。
- 治験・臨床研究でのスコア計算 - 臨床試験の組み入れ条件やプライマリエンドポイント(CDAI 70点以上の改善等)の集計・学習に役立ちます。
- 主治医とのコミュニケーション - 7日間の日記から客観的なスコアを把握し、外来受診時に症状の推移を正確に伝える資料として活用できます。
クローン病活動指数(CDAI)計算ツールを活用して、病勢の把握や適切な症状管理にお役立てください。