反転型昇降圧コンバータ計算ツールの使い方
反転型昇降圧コンバータ計算ツールは、スイッチング電源の初期設計を4ステップで見積もります。
- 入力・出力電圧を入力する — 正の入力電圧
Vinと、必要な負の出力電圧の絶対値|Vout|を入力します。必要なデューティ比Dが表示されます。 - 周波数と負荷を入力する — スイッチング周波数
fswと最大出力電流Ioutを入力します。 - リップル許容値を設定する — 許容インダクタ電流リップル
ΔILと出力電圧リップルΔVoutを入力します。最小インダクタンスLと最小出力容量Cを確認できます。 - 設計値を確認する — デューティ比、ピークインダクタ電流、部品定格を確認し、安全な動作範囲にあるか判断します。
反転型昇降圧コンバータの計算式
このツールは、連続導通モード(CCM)の標準式を使用します。
Vout = −Vin × D / (1 − D)
D = |Vout| / (Vin + |Vout|)
L = Vin × D / (ΔIL × fsw)
C = Iout × D / (ΔVout × fsw)
IL_peak = Iout / (1 − D) + ΔIL / 2
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
Vin | 入力電圧 | V |
Vout | 出力電圧(負) | V |
D | デューティ比 | 0〜1 |
fsw | スイッチング周波数 | Hz |
ΔIL | インダクタ電流リップル | A |
ΔVout | 出力電圧リップル | V |
L | 最小インダクタンス | H |
C | 最小出力容量 | F |
IL_peak | ピークインダクタ電流 | A |
なぜ「反転型」なのか
通常の降圧コンバータや昇圧コンバータと異なり、反転型バックブーストコンバータは出力の極性を反転します。トランスを使わず、単一の正電源から負電源レールを作る用途に適しています。
実用上の設計ポイント
効率を考えると、デューティ比はおおむね 0.2〜0.8 に収めるのが目安です。計算した最小値より一段上の標準インダクタンスを選び、出力コンデンサには低 ESR 品を用いてリップルを抑えます。スイッチ、ダイオード、インダクタの電流定格と温度上昇も必ず確認してください。
反転型昇降圧コンバータ計算ツールの活用例
- アナログ・オーディオ回路 — オペアンプ、オーディオ DAC、アナログフロントエンド用の −12 V や −5 V 電源を作る。
- センサーインターフェース — 負の基準電圧またはバイポーラ励起が必要なセンサーを単電源バスで駆動する。
- LED ドライバ設計 — 特定の LED マトリクス構成に向け、極性反転を伴う定電流駆動を検討する。
- バッテリー駆動機器 — Li-ion・NiMH 電池から、ミックスドシグナル回路用の安定した負出力を生成する。
- 電力電子の学習 — 非絶縁 DC-DC 変換、デューティ比制御、受動部品の選定を学ぶ。
この結果は初期見積もりです。量産設計や安全に関わる回路では、データシート、実測波形、EMI・熱・安定性の評価に基づいて最終値を決定してください。