PCBインピーダンス計算ツールの使い方
- 基板形状に合う伝送線路の種類を選びます。マイクロストリップ、ストリップライン、コプレーナ導波路、または差動構造から選択できます。
- 比誘電率
Er、誘電体厚H、配線幅W、銅箔厚T、間隔Sを入力します。長さの単位は一貫してそろえてください。 - 50 Ω、90 Ω、100 Ω などの目標インピーダンスを設定し、最初の配線幅の目安を確認します。
- 特性インピーダンス、実効比誘電率、伝搬速度、遅延時間を比較します。いずれも製造承認前の層構成検討用の概算として扱ってください。
PCB特性インピーダンスの式と考え方
マイクロストリップの例:
Z0 = (60 / √εeff) × ln(8H/W + W/(4H)) (W/H ≤ 1)
εeff ≈ (Er + 1)/2 + (Er - 1)/(2 × √(1 + 12H/W))
差動の概算:
Zdiff ≈ 2 × Z0 × 結合係数(S/H)
特性インピーダンスは、配線の幅・厚さ、基準面までの距離、誘電体の特性によって決まります。一般に配線幅を広くするとインピーダンスは低くなり、誘電体が厚いと高くなり、比誘電率が高いと伝搬速度は低下します。
このツールは閉形式の近似式で計算します。コプレーナ導波路と差動配線の結果は簡略化した概算であり、公差が厳しい設計では電磁界ソルバーの代わりにはなりません。
近似結果と製造仕様について
ソルダーマスク、銅箔粗さ、エッチング後の台形断面、ガラスクロス、めっき、製造工程の公差はいずれも実際のインピーダンスを変動させます。実装する基板では、基板メーカーが提示する層構成(スタックアップ)、材料のDk、配線幅・層間厚の製造許容差、インピーダンスコントロールの目標値と許容差を優先してください。最終的な値はメーカーの計算・テストクーポン・検査結果で確認する必要があります。
PCBインピーダンス計算ツールの活用例
- 50 ΩのRF配線に向けた初期スタックアップ検討。
- レイアウト制約を作成する前の、90 Ω USBや100 Ω Ethernet/LVDS差動配線の概算。
- 誘電体厚や配線幅の変更が特性インピーダンスへ与える影響の比較。
- 基板メーカーとの仕様相談に向けた、おおまかな目標インピーダンスの準備。
本ツールの結果は、設計検討の出発点として使用し、量産・高周波・高速信号の最終仕様は必ず基板メーカーとすり合わせてください。