BASFI計算機の使い方
BASFI計算機は、10個の機能に関する質問への回答から、強直性脊椎炎(AS)が日常生活をどの程度制限しているかを表すスコアを算出します。各質問は具体的な生活動作を扱います。過去1週間の状態を思い出し、その動作の難しさを0〜10で入力してください。
- 各動作を0〜10で評価する — 0は「完全に容易/困難なし」、10は「できない/極めて困難」を意味します。数値入力欄では小数も入力できます。
- 10項目すべてに回答する — BASFI計算機は、10項目すべての回答がそろうまで有効なスコアを表示しません。
- BASFIスコアを確認する — 平均スコア(合計 ÷ 10)、機能制限の目安(軽度/中等度/重度)、記録用の合計点が表示されます。
- コピーまたはリセットする — コピーを押すと結果をクリップボードに保存して医療者と共有できます。リセットを押すと新しい評価を始められます。
同じような条件(1日の時間帯や最近の活動量など)で継続して回答すると、BASFIスコアの経時的な変化を比較しやすくなります。
BASFIの計算式と仕組み
BASFI計算機では、国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)で用いられている標準的な考え方に沿って、10項目の平均を計算します。
BASFI = (Q1 + Q2 + Q3 + Q4 + Q5 + Q6 + Q7 + Q8 + Q9 + Q10) / 10
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| Q1〜Q10 | 各質問のスコア。数値評価尺度で0〜10を入力 |
| BASFI | 10項目の平均スコア。範囲は0.0〜10.0 |
10項目は、強直性脊椎炎に関連する次のような機能を評価します。
| # | 動作 |
|---|---|
| 1 | 他人の助けや補助具なしで靴下やストッキングを履く |
| 2 | 腰から前にかがみ、床に落ちたペンを拾う |
| 3 | 高い棚に手を伸ばす |
| 4 | 肘掛けのない椅子から立ち上がる |
| 5 | 手を借りずに床から立ち上がる |
| 6 | 支えなしで10分間立ち、不快感がない |
| 7 | 12〜15段の階段を、1段に片足ずつ上る |
| 8 | 体を向けずに肩越しに後ろを見る |
| 9 | 体力を要する活動を行う(理学療法の運動、園芸、スポーツなど) |
| 10 | 自宅や職場で、一日を通して活動する |
BASFIスコアの解釈
BASFI計算機では、スコアを次の3つの大まかな区分で表示します。
- 0〜2(軽度): 機能制限は小さく、日常生活の多くを大きな困難なく行える目安です。
- 2〜5(中等度): 機能制限が目立ち、一部の動作で工夫や追加の時間、時に介助が必要になる目安です。
- 5〜10(重度): 機能制限が大きく、多くの動作が難しい、または相当な介助が必要になる目安です。
前提と限界
BASFIは、強直性脊椎炎の成人を対象に検証された患者報告型の機能指標です。過去1週間について本人が感じた動作の難しさを反映するため、痛み、気分、直近の身体活動などの影響を受けることがあります。スコアが高いほど身体機能の制限が大きいことを示しますが、BASFI計算機は診断ツールではなく、診察、血液検査、画像検査などによる医療評価の代わりにはなりません。
BASFIは主に身体機能や日常生活動作(ADL)をみる指標です。疲労、脊椎痛、末梢関節の症状、付着部の痛み、朝のこわばりなどから疾患活動性をみるBASDAIとは目的が異なります。BASFIの結果だけで炎症の強さ、病気の有無、治療の必要性を判断しないでください。
BASFI計算機の活用場面
BASFI計算機は、強直性脊椎炎や体軸性脊椎関節炎の機能状態を確認する患者さん、家族、医療者の記録補助として利用できます。
- 定期的な診察 — 診察ごとのBASFIの推移を記録し、機能制限の変化を医療者と確認する。
- 治療への反応の確認 — 治療変更の前後でスコアを比較し、日常生活上の変化を記録する。
- 健康状態の記録 — 自宅でBASFIを計算し、結果をリウマチ科などの医療者に共有する。
- 研究や患者登録 — 強直性脊椎炎の研究や患者登録で、機能評価の指標として利用する。
- リハビリテーションの目標 — 理学療法士などと機能面の目標を相談し、運動やリハビリテーション後の変化を記録する。
BASFIスコアが高いほど、入力した期間の身体機能の制限が大きいことを示します。結果は単独で判断せず、症状の経過や診察結果と合わせて医療者に相談してください。