マドレー判別関数計算ツールの使い方
患者のプロトロンビン時間(PT:秒)と検査室の対照プロトロンビン時間(Control PT:秒)を入力します。続いて測定対象(総ビリリビンまたは総胆汁酸)を選択し、その測定値(mg/dLまたはμmol/L)を入力してください。
計算実行後、算出されたマドレーDF値(Maddrey Discriminant Function)を重症度判定の閾値である「32点」と比較します。DF値が32以上の場合は重症アルコール性肝炎の可能性が高く、ステロイド治療の検討など速やかな臨床判断が求められます。32未満の場合でも、患者の全身状態や他の血液指標と合わせて総合的に評価することが重要です。
計算式と判定方法 - マドレー判別関数(Maddrey DF)
DF = 4.6 × (患者プロトロンビン時間 - 対照プロトロンビン時間) + 血清総ビリリビン値 (mg/dL換算)
マドレー判別関数は、血液凝固能の低下(プロトロンビン時間の延長)と黄疸・肝不全の程度(血清総ビリリビン上昇)を組み合わせた予後予測スコアです。PT延長時間の格差(患者PT - 対照PT)が大きいほど肝臓の蛋白合成能障害を示し、ビリリビン値が高いほど胆汁停滞や肝細胞障害の重篤度を反映します。なお、ビリリビン値をμmol/L単位で入力した場合、計算機内部で17.1で除算してmg/dL相当に変換した上で計算が行われます。
マドレー判別関数計算ツールの主な活用例
- アルコール性肝炎患者が重症閾値(DF ≥ 32)を超えているかどうかの迅速な臨床スクリーニング
- PT延長(凝固異常)とビリリビン上昇(黄疸)のどちらがスコア上昇に大きく寄与しているかの要因分析
- 血清ビリリビン値が同程度であっても、プロトロンビン時間の違いによって予後・重症度リスクが大きく異なる理由の学習や解説